不器用だっていいじゃない

手先が不器用な主婦えぬ子が手芸や読書について書くだけのブログです

中野剛志著『真説・企業論』読了しました

2017年5月に発売された中野剛志さんの『真説・企業論』をようやく読み終えました。専門的な知識がない自分にも読みやすかったです、というか、これかなりの名著じゃないですか・・・!?読み終わった後の余韻がすさまじかったです。こんな文章書ける人いるのかーって。 

 この『真説・企業論』はベンチャー企業イノベーションがテーマになっていて

第1章 日本でベンチャー企業を増やすには

第2章 起業大国アメリカの真実

第3章 ベンチャー・キャピタルの目利き術

第4章 最強の起業家は誰か

第5章 オープン・イノベーションの本質

第6章 なぜイノベーティブな企業の方が負けるのか

第7章 なぜ日本経済は、いつまでも停滞から抜け出せないのか

といった章で構成されています。

 

よく「日本にアップルみたいな会社が無いのはなぜか」みたいな話で、日本の教育や閉鎖的な企業体制とかが問題だーって言われたりしてる(気がする)んですが、それって本当?じゃあアメリカはなんで成功してるように見えてるの?ってどんどん切り込んでいく感じの本です。

 

第1章では『ゼロ秒思考』で有名な赤羽雄二氏の記事を引用してひとつひとつに的確な反論をしていくんですが、その前に

しかし、プロの意見だからといって鵜呑みにしたり、怖気づいて批判をやめたりするようでは、思考停止のそしりをまぬがれません。

赤羽氏は「日本人は自分の頭で考え、発言し、行動できない、というまさにその問題だ」と述べていますが、日本人だけに限った話であるかどうかは別にして、自分の頭で考えないというのは、たしかに問題です。

そこでまずは、彼の議論をもう一度、批判的に読み直し、直感的あるいは常識的におかしいと思うところを抽出してみましょう。そして、その上で、ベンチャー企業に関する他の研究を参考にして、何が正しいのかを探ってみることとしましょう。(p21)

とあるんです。本題とは違うけれど、このあたりにえらく感動しました。これ、大学生のときに読めばもっと卒論とか建設的に書けてただろうなー。

こんな優しい序文のあとで、このあとキレッキレの中野無双が続きます。もうね、ほんと痺れる。

ベンチャーキャピタルとかはよくわからないので途中読むのがしんどかったけど、元メーカーに勤めていたこともあって、こんな私でもなんとか読み終えることができました。あぁここが問題なのかぁって気付ける喜び!そしてあとがきも優しさにあふれていて感動しました。

 

ただ私は人から言われたことを鵜呑みにしやすいというか、読んだことをそのまま信じてしまうところがあるので、いまは中野剛志さんすごーいってなってる。こういうのも危険なのかな。自分の興味がある本を読みたいけど、偏りすぎるのもよくないですよね。本を読むときって「それ本当?」って思いながら読むのがいいのかな。難しいなー。自分の頭で考えることを今まで怠っていたなぁと反省です。あーでも面白い本読めてよかったー!